2014年09月04日

Les Gouttes de Dieu

神の雫 [原作]亜樹直 [作画]オキモト・シュウ
第42-44巻追加(完結)

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世界的なワイン批評家だった父の遺言により、
選出された偉大なるワイン「十二使徒」と「神の雫」を導き出すバトルに
巻き込まれた神咲雫。
継承者たる二人の息子がバトルを通して
見失いかけていた感情や大切な人との絆を取り戻していく

十二使徒の戦いに命を懸け、人生の他の何事よりも優先される様子は
実に少年漫画のようなムリヤリ展開の連続。

ワイン漫画ということでGammaは最初"城アラキ"原作と勘違いしていたのだが
随分と偏ったマニアックなワインの薀蓄といい、
上記のような青年誌らしからぬ展開に違和感を感じたら、
なんと、原作の"亜樹直"とは"キバヤシ"じゃないか!
一介の漫画編集者に収まらない才能と、一介の漫画編集者ではありえない
「いいワイン沢山飲んでる」金持ちな側面を垣間見た。

本作は日本国内よりもむしろ海外での評価が捨て置けず
フランスでも絶賛された作者の二人はワイン騎士団から
「騎士」の称号をもらったらしい。

「日本人がフランス料理やワインを語るなんて」と
漫画などでは鼻で笑われたりする描写をよく見るが、
実際のフランス人の懐の深さに驚かされるエピソード
加えて、キバヤシのそれほど深いワインへの造詣に素直に感心する。

余談はさておき、
作中で紹介される2000円台で買えるニューワールドの美味いワインなどは
非常に参考になるが、近所のワインショップなどで都合よく扱っていないため
結局、それが有名無名どんなものであれ、
作中のワインを口にする機会はなかなかない。

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posted by Gamma at 13:50| Comment(0) | キバヤシ(原作)

MIX

ミックス あだち充 
第05巻追加

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立花投馬と走一郎兄弟

努力家で実力もあるが、部内の政治的な理由で不遇に甘んじ
結果、野球部が弱小にあえぐパターンは「H2」に近いか。

本作は、名作「タッチ」から26年後の明青学園野球部の物語だが
ファン待望の続編かと思ったら
舞台と時間軸を共有しているものの、ストーリー的な繋がりは今のところない。

ふたりが双子ではないと冒頭(2話だったが)で明かしたのは
「みんなタッチの続編として期待しているだろうけど、実は違うよ」
という作者からファンへのメッセージにも思える。

「タッチ」の登場人物が出るとしたら、
果たしてどういう形になるのか楽しみでならない。

月刊連載というペースが実にもどかしい。

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posted by Gamma at 10:58| Comment(0) | あだち充

2014年09月01日

COPPELION

コッペリオン 井上智徳 
第21巻追加

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2016年、お台場の原子力発電所メルトダウンによる
重度の放射線被害のせいで閉鎖区域とされた東京
あれから20年
遺伝子操作で産み出された放射能へ耐性をもつ少女たちが
汚染されたままの東京に舞い降りた

人の業が犯した罪とか云々─
のようなテーマはもちろんあるだろうが、
主要国会議でのエネルギー覇権争いなどの描写を見るに、
より濃い業や欲で上書きされる、現代と変わらぬ国際情勢はそれとして
まるで対極のようにごく局地的に物語は展開し

どちらかというと、彼女たちが産み出された背景の闇とか
絶望の死地で20年生きのびた人間の"怨念"や"生への執着"とかが
テーマとなるかと思われたが、

東北大地震とそれに伴う現実の原発危機を経て
今後、本作の展開がどう変わるかは注目したいところである。

テンポの悪さと線の雑さ(特に背景)は
もうちょっと何とかして欲しい

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posted by Gamma at 05:00| Comment(0) | 井上智徳

2014年08月29日

I am a HERO

アイアムアヒーロー 花沢健吾
第15巻追加

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ある日突然知り合いがゾンビになった。世界が様変わりする。
逃げないと殺される、倒さないと噛まれてゾンビ化してしまう。

原因不明・対処不可能な底なしの恐怖の中で、
絶望的な孤独感や、刹那的な"生"を感じさせる
ヘタレ男を描かせたら右に出るものはいない花沢健吾が
行き先も分からず巻き込まれながらも
どんな醜態を晒したとしても"生きたい"という根っこの感情を
真っ直ぐに描く。

単行本ほぼ1巻分を費やし緻密に描き込んだ
英雄の人物像と生活描写をすべてぶち壊す展開にとにかく脱帽。
よくここまで我慢した。
そこからの疾走感と無力感にもまた感心。

何ひとつ特技のない35才のヘタレ男
英雄ヒデオははたして英雄ヒーローになれるのか。

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posted by Gamma at 05:03| Comment(0) | 花沢健吾

2014年08月26日

SAMURA HIROAKI

沙村広明短編 
「春風のスネグラチカ」追加

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荒涼・殺伐として、スリリングでエロくてグロい

それでいてウィットに富んだシニカルジョークや
オタクしか知らないネタを織り込みながら
自らの作風としての一貫性はキチッとある。

一点集中のワンアイデアの練り込み度が高く
やりたい放題の展開が栄えるのは、むしろ短編の方かもしれない。


春風のスネグラチカ
シスタージェネレーター 沙村広明短編集
ブラッドハーレーの馬車
竹易てあし漫画全集 おひっこし
新世紀ゴッドスレイヤー

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posted by Gamma at 10:51| Comment(0) | 沙村広明

Halcyon Lunch

ハルシオン・ランチ 沙村広明

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何でも食べる謎の少女ヒヨス
シュールで荒唐無稽でカオスの極みがリアルに描かれた
・・・えーっと、ギャグ漫画?

いったいなにを伝えたいのかさっぱり分からない
マンガの中身にも作品そのものにも誰も責任を取らないアナーキー状態だ。
肩の力を抜いて、お腹の空いていないときに読むことをオススメする。

無限の住人しか読んだこと無かったが
沙村広明の人となりはむしろコッチの方によく出ているのだと強く感じる。
根拠はないけど。

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posted by Gamma at 09:30| Comment(0) | 沙村広明

2014年08月25日

AMANCHU! FUN for ALL. ALL for FUN.

あまんちゅ! 天野こずえ 
第06−08巻追加

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引っ込み思案で常に孤独だった大木双葉(てこ)は
引っ越し先の伊豆の高校で

てこに不足しているスキルや考え方、行動を
常に前向きに牽引し補う、掛け替えのない人生のバディ:ぴかり
そしてダイビングと運命的な出会いをする。

本作は、
ダイビング部の面々の日常の中で
これまでやりたいことをやらずに諦めてきた"てこ"の目線で
ダイビングを通し、人の優しさ、強さ、愛情に触れ
新たな発見と感動を共感する成長物語になる(?のだろうか。


天野のしなやかで繊細な描線が美しく
キャラクターたちは生命力に満ちており魅力がいっぱいだ。

ただ、ぴかりのギャグ顔だけが作中で浮いているので
なんとかしてほしい。

タイトルロゴが「ぬらりひょん」ぽくドロドロしてて
作風にマッチしていないような気がするのはGammaだけだろうか。

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posted by Gamma at 06:01| Comment(0) | その他の作家

2014年08月20日

Silver Spoon

銀の匙Silver Spoon 荒川弘 
第12巻 追加

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農家の子でもないのに一般入学で農業高校へやってきた八軒勇吾

偏差値教育から逃げ出した夢や目的を持たない少年が
悩む間もないほど体を動かし
"食"や"動物"や"大自然"と真面目に向き合い
何を感じ、何を思い、その果てに何を見出すのか。


荒川弘が自分の原体験を綴った農エッセイ「百姓貴族」を
少年漫画へシフトさせたため、
すでに読んだエピソードを同じ絵で再び読む違和感は如何ともしがたい。

学園青春マンガの"体"をとっているが、ラブコメに非ず、
荒川本人は自分がそうだったから何の違和感もないのかもしれないが
「青春」成分ですらその存在をほとんど感じさせない。

荒川は恋愛ものが描けないのではないだろうか。
と邪推してみる。

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posted by Gamma at 06:00| Comment(0) | 荒川弘

2014年08月11日

attack on titan

進撃の巨人 諫山創 
第14巻追加

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107年前に突如現れた人喰いの巨人により滅亡寸前の人類は
壁に囲まれた都市を築き100年間の安穏にまさに籠の鳥と化していた。

設定上、今のところごく狭いエリアでしか物語が展開されていないが
壮大な世界観を持った作品であるポテンシャルは存分に感じられ
巨人の謎、エレン出生の謎、歴史や種のルーツに関わる
深みのある物語になることは間違いない。

作者の"絵"が、どう贔屓目に見ても決して"上手くない"ため
話をもう少し暖めて、描画力をつけてから描くとか
もっと絵の上手い人に描かせるとか、そんな方法はなかったのか
という疑問はどうしてもついて回るが

なにせ、良くも悪くも新人である
「この作品を"今"自分が"描きたい」という情熱は十分に感じられ、
新人発掘と育成に懸ける別マガ編集部の懐の深さを評価したい。

今後の展開に期待する。
ただし
いくら物語が面白かろうと、今のままの下手くそな絵で
いつまでも評価されると思わないで欲しい。絵の上達は絶対条件だ。

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posted by Gamma at 15:58| Comment(0) | 諫山創

2014年08月07日

AGAIN!!

アゲイン!! 久保ミツロウ 
第12巻追加(完結)

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高校の卒業式の日、
友だちはひとりもいない、楽しいことなど何ひとつなかった
苦痛の日々がこれで終わると思った刹那、
事故で意識を失った金一郎が目覚めると、三年前の入学式の朝だった。

そして三年前に、気にはなったが関わることなく、
そのまま廃部になったらしい応援団の存続問題にどっぷり関わることに。


デビュー当時から応援団が大好きだったというミツコが、
満を持して放つ華の(?)応援団マンガだったが

3.3.7ビョーシ!の頃から相も変わらず
連載しながら自転車操業で無理やり捻り出して紡いだようなストーリーが
すごく上滑りしてて非常に残念なカンジ。

なんか気付いたら連載終わってた

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posted by Gamma at 18:57| Comment(0) | 久保ミツロウ

2014年08月05日

NANA-MARU SAN-BATSU

ナナマル サンバツ 杉基イクラ 
第06巻追加

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「クイズ」
世界中の誰もが知ってるお馴染みのゲームだが、
身近なもののようで決してそうではない

「学問」でもなければ「なぞなぞ」でもない「競技クイズ」
単純に知識の量や深さを競うのではなく
推理力・洞察力・判断力・瞬発力そして「知力・体力・ときの運」
を必要とし

傾向・対策・センスの錬度を上げなければ決して勝ち抜けない
「見るとやるとで大違い」の
シビアなこの競技の魅力に取りつかれた中高生たちの物語。

単調になりそうな1問1問の攻防が
意外と複雑でおもしろく、あなどれない。

これを「わかるわかる」とほくそ笑んでいる人が
Gammmaの周りには一人もいないので
描写がどれ程リアルなのか知るよしもないが
このドキドキワクワクは、今まで感じたことのない新しい感覚だ。

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posted by Gamma at 21:48| Comment(0) | その他の作家

Saint ☆ Youngmen

聖☆おにいさん 中村光
第10巻追加

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心が豊かなのか貧しいのか、美しいのか醜いのか、尊いのか浅ましいのか
「聖人も人の子」と思わず感じてしまうイエスとブッダの日常。

しかし舞台がなぜ立川なのか

立川といえば真如苑の聖地と創価学会の支部が東西で睨みをきかせていたり、
戦時から軍用機が飛んでたり、休みの日はギャンブラーでごった返す
人間の業と欲望の渦巻く街のイメージなのだが
本作でそういう人間の内面的なことなどに触れて話を深くするようなことはない。

もっと下町情緒の溢れる町でもよかったのでは・・・?

面白い作品ですがネタ元が難しい場合があるのが難
宗教観にうるさい人は読まないでください。

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posted by Gamma at 10:09| Comment(0) | 中村光

2014年08月04日

TEPPU

鉄風 太田モアレ 
第06巻追加

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恵まれた体躯と持って生まれた類いまれなセンス
何をやってもそこそこ以上にこなしてしまう。
目標が持てない、敵がいない、毎日がつまらない。

そんな空虚さを吹き飛ばす相手と世界に出会い
石堂夏央は『総合格闘技』の世界にのめり込んでいく。

天才肌の長身・二枚目とくれば、よくあるスポーツものでは
ライバルとか同じチームのNO.2とかに設定されがち。

反面、主人公として使われることが多い
天然の熱血スポーツバカが今作ではライバルとなり
天才ゆえの空虚さ、天才ならではの劣等感や嫉妬を、
充実感で補い埋めていくカタチの成長劇となるわけだが

万事そつなくこなせることが
『総合格闘技』では直接強さに繋がらないという
遠回しに『オールラウンダー廻』を全否定するかのような内容だ。

実際、主人公のヒリつく程の熱い感情や明確な目的意識があるせいで
『オールラウンダー廻』より32倍おもしろい(Gamma比。

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posted by Gamma at 06:35| Comment(0) | その他の作家

2014年08月01日

Ah My Goddess

ああっ女神さまっ 藤島康介 
第48巻追加(完結)

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背が低いことがコンプレックスで彼女ができない森里螢一は
ある日、大学寮を訪れた女神ベルダンディーに
「君のような女神にずっとそばにいてほしい」と告げ
その受理された願いの効果から同居をはじめる。

日常世界に非日常的な存在が現れて活動する事により
発生する騒動を描いたラブコメディ
と冠されており

当時「逮捕しちゃうぞ」のプチヒットで
自身の極めて趣味の世界を
清くおかしく描くのが成立すると確信した藤島の
頭の中にある限りの願望を炸裂させた
もうやりたい放題のラブコメである。

長きに亘り惰性で続いていとしか思えないグダグダな終盤は
Gamma的には読む価値なしなのだが
まぁ、よく戻るべきところに戻ってきたな、と
納得することにした。

藤島先生、お疲れさまでした。
「パラ・レジ」はあまり好みじゃないので
その次回作に期待してます。
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posted by Gamma at 15:32| Comment(2) | 藤島康介

2014年07月30日

VAGABOND

バガボンド 井上雄彦 
第37巻追加

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もともと史実定かでない宮本武蔵の伝説的な足跡は
戦中の新聞小説だった吉川英治の「宮本武蔵」に記された
ドラマティックな空想が現実と誤解されていることが少なくない

もはやNHKにも太鼓判を押された
その吉川英治の「宮本武蔵」を原作としながら
独自の解釈や創作を交え、劇画表現にも新たな手法を模索し続ける
いつの間にやら井上のライフワークとなった大作。

その入魂の昇華度合は常人の及ばぬレベルで密しており
ただのバスケバカだった井上を
世界のアーティストにまで引き上げるだけのことはある

休載が多く、また長いのが玉に瑕だが
休まず描くとそれこそ週刊誌だし、
命を縮めかねないかもしれないので我慢して待つ。

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posted by Gamma at 09:00| Comment(0) | 井上雄彦

2014年07月11日

Saibancho!

裁判長! ここは懲役4年でどうすか
 松橋犬輔×北尾トロ

リク補完

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ベストセラーの裁判傍聴エッセイをコミック化
昨今、裁判員制度の導入で身近になったとはいえ
行かなきゃ一生知らないままの、半・閉ざされた世界"裁判"。

被害者、被告、検察、弁護士、裁判官などの当事者ではなく
傍聴人=すなわちまるっきり他人の視点から裁判を描く。
恐ろしい話あり、あきれる話あり、ホロッとする話ありで飽きさせない。

一つひとつのストーリーが比較的短く、
あっさり終わってしまうのが物足りない感があるが
実話に基づいているというのだから仕方ないわな。

星川検事の可愛さが異常

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posted by Gamma at 20:00| Comment(0) | その他の作家

2014年07月07日

GIRLS FIGHT

少女ファイト 日本橋ヨヲコ 
第10・11巻追加

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トラウマやトラブルを抱えた少年少女が
レーゾンデートルを懸けてバレーに青春を費やす
青臭くも汗くさくはないスポ根マンガ(女バレだから汗くさいのは嫌だよな

秘めたポテンシャルを開花できずにいるというのではなく
心の問題で天才的才能を開放できない主人公というのは、
作品がいささか暗くなりがちだが、
判で押したような「弱者が努力でのし上がっていく」的な
いわゆるスポーツ根性ものとは違うという点で好感が持てる。

ただ、登場人物同士がいちいち幼なじみや昔の同級生であるなど
軽井沢シンドロームも裸足で逃げ出すご都合人物相関にはちと萎える。
あと、男も女もみんな涙腺が弱すぎ。

個性的な野太い描線は好みが別れるところか。
Flashムービーで今にも動き出しそうでGammaは好き。
腰骨(骨盤?)の描き方が白眉

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posted by Gamma at 23:00| Comment(0) | 日本橋ヨヲコ

Yamikin USHIJIMA kun

闇金ウシジマくん 真鍋昌平 
第31巻追加

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10日で5割(トゴ)の暴利をむさぼる闇金融
カウカウファイナンスを経営する丑嶋馨を狂言回しに

多重債務に陥った、いわゆる社会の底辺の人たちの
主に"金"にまつわる人間模様を、緻密かつ大胆に描写する。

理由は様々あれど、多重債務に陥る人間の救われなさ、浅はかさ、愚かさ、
また一方で、騙す人間はもとより、
騒動に関わりたくない人間や、我が身かわいさに裏切る人間の
弱さ、汚さ、醜さ、非道な所行。

善良な人がほとんど出てこない上、
各エピソードの結末も救えない展開になることが多い。

そのため、読後の後味の悪さはズバ抜けており
Gamma的には本作を礼賛したくはないのだが
ドラマ化・映画化されるほどの人気には理由があるのだろう。

底辺の人々(語弊はあるがあえてこう表記する)の
愚かな判断や感情の移り変わりや後悔の念などには
おそらく誰しも少なからず身に積まされる部分があり

本作を読むことで、ギャンブルや借金や美味そうな儲け話を
反面教師的に「怖い」と感じる効果があるのならよいのだが

その描写のリアルさ故に、読者が
現実の自分よりまだまだ「下」の存在がいることに安堵したり
優越感に浸る効果を認めるなら、
本作の人気は社会に対してよい影響を与えない。


武内力のおかげで(主に大阪で)市民権を得た
「ミナミの帝王」萬田銀次郎が
いい人に見えてくるからまったく困ったものだ。

どうしても好きになれないが認めざるを得ない人気作と位置づけておく。

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posted by Gamma at 22:52| Comment(0) | その他の作家

2014年07月05日

JISATSUTOU

自殺島 森恒二 
第11巻追加

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自殺未遂常習者ばかりが集められた「自殺島」
国籍も基本的人権も剥奪され、国家に見放された者たちが
軽々しいきっかけや浮ついた理由と関係なく、
改めて生と死を見つめ直すサバイバル劇画。


何を隠そう、
Gammaは「死にたい」と思ったことが生涯に於いて一度もないので
常習どころか、ふと自殺したくなる気持ちすら、実はカケラも理解できない。
(コレを言うと「お前は幸せだな。いろんな意味で。」
 と決まって言われる。)


本作には、
『こんなに知識や活力、応用力のある人間が、果たして自殺などするものだろうか』
と、思うようなキャラも数人いるが、
それは、各個人の事情があるのかもしれないし
設定上の作者の都合なのかもしれない。

だが、それは衝動だろうと、もっと根深い理由があろうと、
如何せん、自殺に至る気持ちがわからぬGammaに判断できようハズもない。

しかしながら、自殺を繰り返すほどの強烈な感情のほとばしりなどもなく
ただ日々を無意味に、無目的に、非生産的に過ごしている者にこそ
考える力がある内に「生と死」についてちゃんと考えてほしいという
作者の願い(狙い?)が込められていると思いたい。


人間同士でいがみ合ったり、奪い合ったりも当然あるが
そんな中でも
島ひとつを小さな生態系ととらえ、
鹿や魚や植物に生かされていると実感したり
自分たちの存在意義を見出したりと
普通の社会生活では感じることのなかった"感覚"がここにはある。

主人公:セイは、パートナー犬に「イキル」と名付け
思いを寄せる女性を「リヴ(LIVE)」と呼び
果たしてどのような死生観に辿りつくのか。

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posted by Gamma at 08:00| Comment(0) | 森恒二

2014年06月24日

GENSHIKEN part.2

げんしけん[二代目] 木尾士目 
第16巻追加

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笹原が卒業し完結したはずだった「げんしけん」が
ファンの期待に応えて帰ってきた
しかも更なるファンの要望に応えて長期連載に。

荻上政権下の新たな「げんしけん」は
腐女子中心の新時代に突入。

ややこしい過去を持つため
オタクならではのひねくれた恋愛話に発展した旧げんしけんと比べ、
今作では
腐男子:波戸と、いまだに旧時代の煮え切らないオタクでいる斑目が
フィーチャーされ、腐女子があたりまえの世界において
ひどく下世話に、ねじくれ曲がりまくった恋愛感が展開されそうな予感。

まったく誰が主人公なのか判りゃしない。
しかし周りのキャラたちもスパイスが効きまくっていて
誰一人欠けてはいけない絶妙の人物相関が出来つつあります。
あ、朽木はいなくても可

笹原の出番があまりに少ないのも仕様なのでしょう。

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posted by Gamma at 19:00| Comment(2) | 木尾士目
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