2012年09月05日

MANGA MICHI

まんが道 藤子不二雄(A) 

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憧れだけでなく、中学生の頃から実際に人に見せる漫画を描き
手塚治虫をリスペクトし、漫画を投稿し、上京してプロになり
時に仲間と苦楽を共にし、時にトラウマになるほどの挫折を味わい、
立派な少年漫画家として成長する様が描かれた
コンビ漫画家:藤子不二雄の自伝的青春物語。

自身の分身である主人公:満賀道雄(A先生)を
目先の欲求に流されやすく意志の弱いやや卑屈な狂言回しとし、
相棒:才野茂(F先生)を情熱溢れるまっすぐな正義漢のように描いたのは、
単に自らを美化したくない奥ゆかしさだけではなく
後にメジャー路線の空想科学まんがを多く描くことになるF先生と
人間の内面に迫る影のある漫画を描く(A)先生の姿を
投影しているのかもしれない。

実話7割:創作3割と作者自身が言ったそうだが
エピソードの前後やタイミングの他には
上記のような両先生の性格設定がのっけからフィクションである
可能性が高いだろう。

「サルまん」「バクマン。」などのように
どうしたら"売れる"かというような打算的な面はほとんどなく
誇張でも何でもなく、とにかく情熱をもって描き続けた様は
漫画制作の裏側を描いた他のどの作品よりも、
後の漫画家志望の若者達によいベクトルの影響を
今なお与え続ける珠玉の長編である。


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愛…しりそめし頃に… |満賀道雄の青春|
第11巻追加

第二部で描かれた春雷編の続編だが、これまでの「まんが道」とは趣をやや異とし
コンビ漫画家としての成長や苦悩よりもむしろ
満賀道雄(A先生)個人の精神描写を中心としているからか
相棒:才野と別の部屋に住んでいたり、これまでの系譜や史実と異なる部分がある。

二人も大人になってきたため
手塚治虫への憧れやはじめて雑誌に掲載される喜び、
ギャラを手にする感動などの感情表現は抑えめになり

仲間の自立や結婚、論議などを機に感銘を受けたり
作劇のヒントにしたりという展開が続く。

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posted by Gamma at 06:50| Comment(0) | 藤子不二雄(A)
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