2014年11月11日

YUREITOU

幽麗塔 乃木坂太郎 
第07・08巻追加

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時は戦後、昭和29年
金も家族も友人も、生活力も職能もない
無職の天野太一は
ある日出会った「テツオ」と名乗る男装の麗人に導かれ
かつて猟奇殺人が行われた時計塔の謎と
それにまつわる事件に巻き込まれていく。


「医龍」以前にミステリーやサイコものを得意としていた乃木坂の
知名度を得た上での原点回帰というべきか、
それとも新境地というべきか。

ウィリアムスンの小説『灰色の女』を翻訳した、
黒岩涙香の「幽霊塔」をモチーフとし、
作品全体に流れる雰囲気まで見事に引用することに成功しながら
ストーリー自体はまったくのオリジナルとなっており

原作では主人公である「丸部道九郎」なる男が
怪しい謎の権力者として登場することをはじめ
涙香作品への屈折したリスペクトが感じられ

「医龍」執筆で熟練したストーリーテリングの妙と
人間のどす黒い感情を目で表現する卓越した画力で
新しい「昭和のミステリー」が紡ぎ出される。

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posted by Gamma at 05:01| Comment(0) | 乃木坂太郎

2012年11月02日

Team MEDICAL DRAGON

医龍 -Team Medical Dragon- 
乃木坂太郎
 [原案] 永井明 [医療監修] 吉沼美恵

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明真医大胸部心臓外科の教授選で優位に立つための実績作りに
助教授:加藤晶にスカウトされた天才外科医:朝田龍太郎

大学病院の闇の部分をさらけ出す視点は
「ブラックジャックによろしく」に通じる部分もあるが
巨大な組織の中で凡人が抗える限界にブチ当たる「ブラック〜」とは違い
本作では、その闇の部分をも利用し、清濁まとめて飲み干してさらに結果も残す
という、天才のなせる技をストーリー牽引の骨子に持ってきている。

そのスマートな魅力の反面、嘘くささも倍増。
教授選シリーズに入ってからは、政治色がやや強くなりスマートさにも陰りが。

所詮ひとりの天才が起こせる奇跡なんてたかが知れており
医師ひとりひとりの意識と成長、それを支える地盤があれば天才なんか不要
というお約束的ドラマティックなラストに辟易した。

もっとドラスティックにエゴイスティックな結末を期待していただけに
そこだけは残念。

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posted by Gamma at 03:56| Comment(0) | 乃木坂太郎
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